久しぶりにコラム書いてます。お久しぶりです。
先日、【風景ハウジング】の製作例とレイアウトなどの仕方を解説するイベントを行いました。
参加された皆さん、ありがとうございました。
「風景ハウジングって何?」
という方に過去の記事から簡単に説明しますと、
その前にまず、ハウジングには【書き割りをはめ込んで窓の外を見せる】という手法がありますが、これには1つ欠点があります。
写真などの静止画だと目立たないのですが、実際にその場所に(書き割りをはめ込んだ窓など)行って歩いてみると、書き割りは平面のために壁紙のような感じになってしまいます。
少しでもそういった違和感を抑えるための手法の1つが【風景ハウジング】というわけです。
1つの方法と書きましたが、別の方法もあります。
例えば、手前と奥の書き割り間にスペースを設ける方法です。
その手法を用いたハウジングがこちらです。
書き割り風景を奥に配置して、手前の居住空間とかなり間を空けてます。
ただ、そのまま空けると違和感が生じるので、砂浜に張り出した天井のイメージで下の空間を作ってます
この家はレイアウト上、書き割りの近くまで簡単に行けますが、カウンターなどの配置を工夫すれば窓辺の景色として応用が可能です。
さて、本題に移ります。
【風景ハウジング】を用いたハウジングの一例です。
窓の外に実際に風景ジオラマを組んでみました。
とても奥行きがあるように見えますが、ここは実際に奥行きあります。
広大なジオラマを組んだ後に、左側に家を作ってその窓からの光景が先程の写真です。
お気づきのように、当然デメリットあります。
一応この家は、ベッドや収納も兼ね備えてるので、居住性は損なわれてませんが、配置数をかなりジオラマに使うために、考えてレイアウトをしないと家の方にまわせなくなります。
レイアウトの方法として、左に曲がる川沿いに王家の滝を配置して、奥に行くほど川幅を狭くしています。(パース付け)
高低差とパースによって、実際よりも奥行きがあるように感じられます。
注意点としては、極端なパースをつけると違和感が出るので気をつけて下さい。
パースの効果を簡単に挙げますと、
これは等間隔に置いて道を表現してみたものです。
これにパースをつけてみます。
手前は比較しやすいようにそのままにしてますが、少し奥に行くとパースをつけてレイアウトしています。
上に比べて奥行き感が出ているのがわかると思います。
このパースをつけるのは、特に見る方向を固定した風景ジオラマだと必須のテクニックだと思って下さい。
例えば、フルサイズで組んだジオラマは、見る方向を限定しないので世界に入り込めるというメリットはありますが、配置数をものすごく食うので普通の家として組み上げる事ができなくなってしまいます。
家としての機能を持たせて風景を楽しめるジオラマを組むには、【見る方向を限定する】方法が最も現実的なハウジングとなります。
この 【見る方向を限定するジオラマ】はメリットは多いです。
◆ レイアウトの仕方によって、実際以上に奥行きを出せる。
◆ 見えないところを省略できる。
この二つのメリット、ハウジングではとても大きいです。
そのメリットを最大に出した風景ジオラマを組み込んだハウジング
がこちらです。
まずこちら、
橋を望む遠景をレイアウトした風景ジオラマです。
奥行き感を出すために上記のレイアウトテクニックともう1つ必須の小技を入れてます。
【風景ジオラマとの境目に仕切りを入れる】 という小技です。
これがあるとないとでは見た目に雲泥の差が出ます。
人の脳というものは今までの経験値で、目から入った画像を補完するという機能が備わってます。
ジオラマとの間にワンクッション置くことによって、例えば上記の写真だと同じ平面に置いてあるジオラマが、あたかも眼下の景観だと錯覚させます。
もう1つ例をあげてみましょう。
これは、風景ハウジング講習会のイベント用に試験的に組んでみました。
窓からビル街の夜景が見える窓を作ってみました。
窓際に寄ってみると、こんな感じに見下ろすような風景が見られますが、
ジオラマなので当然窓の向こうも同じ高さの床に組んでます。
風景ハウジングとは、この錯覚も利用してレイアウトを組むのも大事なポイントです。
と、前回の講習会で説明したことを、今コラムではもう1つ分かりやすく解説してみました。
はっきり言って、作るときの手間は想像よりも大変だとは思いますが、出来たときの喜びは大きいので、是非挑戦してみてください。